夢で終わらせない
- 水野みやこ
- 2020年3月9日
- 読了時間: 2分
更新日:1月19日

神格化と失望。
少女達の蜜月。
この2テーマを掲げた物語を描こう。そこに、かつて少女だった者が現役少女を見つめる感傷、少女の"死"なども盛り込んで、最高のお話にしよう。
…と、最初の構想が生まれてから約2年。第一歩を踏み出しました。

ニコラの名前を初めて出したのは、2018年4月のこの絵です。
アイドル寄りの扱いを受けていることに内心反発しているシンガーソングライターで、17歳の女の子。真弓と百花も初めは高校生の設定でした。その頃の過去作品もあります。
ニコラを中性的な男性に変更したのは、『少女の国』の2つ目のお話にほんのすこしだけ出した時からです。本文17ページより。

変更理由は今後の展開に関わるので伏せますが、ここで、今描こうとしている形へ舵を切り、本腰を入れて物語の展開や人々の背景を考え始めました。

このあたりも初期設定の『NICOLA』の絵です。2017年11月。髪の長い二人は真弓と百花で、彼女たちの創作世界での自分の姿。それぞれ別の名前もありました。
この入り組んだ設定はボツになりましたが、神官姿の設定につながっています。3月編で描いた通り、二人の世界があることは変わっていません。
時に自他の境界が曖昧になってしまう同調、わたしはあなたを誰よりも理解しているという耽溺、転げ落ちていく少女たち…
見てわかる(ように描いたつもり)ですが、百花のほうが一見過激そうでありながら、二人の世界を引っ張っているのは真弓です。
『少女の心臓』でもそうでしたが、それが彼女の性質なんです。響き合える少女を見つけて、絡め取ってしまう。そして、感受性の交歓を基礎とした閉鎖的で深い関係を築く。内へ内へ。二人きりの誰も入れない世界。
しかし、やがて相手は響き合える少女ではなくなって、そこから出て行こうとする日が来る。その時互いに、あるいは真弓だけが深い傷を負う。その傷が癒えた頃、また次の少女を見つける…
こうして新しい希望と裏切られた絶望を繰り返しながら、真弓ひとりが少女のまま生きる。
これから百花とどうなるかは、作品で示してゆきます。今は多くを語らないようにいたしますが、『少女の心臓』の三人娘よりは救いのある結末を迎えるはずです。
お読みいただきありがとうございました。
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