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日記帳二冊目

  • 水野みやこ
  • 2024年5月26日
  • 読了時間: 19分

更新日:1月19日



24.5.5


「可奈子には杏里がいるけど真弓には誰もいない」


という言葉が浮かんでしまいました。再録集の描き下ろしを黙々と描いています。




可奈子・杏里は『少女の国』の3話目、「性嫌悪の少女の話」という副題でWEB上でも公開している漫画の登場人物。真弓より前からいます。




戻って冒頭の話、誰もいないは言い過ぎました。部活の子やグループ付き合いの子など、一般的に友達と呼べる間柄の子はいます。


けれど、「真弓と一番仲が良い子」はいません。

彼女の望むような一対一の深い関係の相手とは蜜月と崩壊を繰り返してきました。


そのうえ、完璧主義に起因する、うまくいかなくて理想の自分になれなかったからやり直したいという願望があります。(いわゆる人間関係リセット癖)

進学時に自分を知る人のいない学校に行きたがるため、長期的な関係が続きません。





人は基本的に、自分に興味を持ってくれる相手を好きになるそうです。

何気なく言ったこと、いつか話した好きなものを、覚えていてくれたりすると嬉しいですよね。


なので、自分の内側への愛情深さに比例して他人に対する興味が薄い真弓は、友達がほしいならちょっと不利。




可奈子と杏里は進学で離れても関係が継続しています。それはお互いの「継続させるための努力」「継続させたい気持ち」があるからです。


杏ちゃんは可奈子の性質をよく知っているので、夜に突然合宿先から電話がかかってきて状況を完全に把握できていなくても、可奈子に寄り添った百点満点の回答ができます。








24.4.28


「ちえりちゃんは後ろ暗いところが何もない」というのがとても重要でした。なぜなら、彼女がルールやマナーに反した行為をしていた場合、真弓の負の感情が正当化されてしまうからです。


真弓はいつも正しい側に立っていたい。良くも悪くも真面目で、悪者になるのが恐ろしい。世間的に逸脱したことはできない。

優しい良い子であれと育てられ、その選択肢しかない。自分による善良なる自分への期待と抑圧が強い。



「ちえりちゃんがニコラと繋がっていた(ルール違反をしていた)から嫌いになってしまった」なら、ものすごく楽でした。自分が正しい側だと思えるから。


いいお姉さんでいなければいけない理想の自分と、年下の自由で最強の女の子に苦しんでしまう実際のちっぽけな自分との乖離に、苦しまなくて済みました。








一方、百花は敵味方思考です。

ちえりちゃんが悪いことをしているかどうかに関わらず、「敵」だから嫌いで、追い出したい。一人ではできませんが真弓と結託できればやっていました。






『少女の国』の2話目、WEBでは公開していない部分は真弓・ルリさん・ちえりちゃんのお話です。5月発行の再録集に入ります。


NICOLA連載前の設定で描かれたものですが、各キャラクターの立ち位置も大きくは変わっていません。

制作にあたり、このお話を久しぶりに読みました。鋭利で透明な真弓のことを楽しみにしていて下さい。








24.4.21


今気づいたんですが……左右の爪をクロウさんとセイレーンちゃんの色にすればいわゆる推しカプネイルなのでは??


きっとこれは皆とっくに気づいている当たり前すぎることなんでしょうけど私にとっては新鮮で楽しいです、今度やってひとりで幸せになります。



ところでクロウさんって何色だと思います?

赤とオレンジと茶色、どれでもあるしどれでもないような……セイレーンちゃんは🩵以外考えられませんがクロウさんは❤️🧡🤎どれ……?



私の持っている絵の具の中に「イングリッシュベネチアンレッド」という色があって、それがかなり近いなあと感じています。

説明を見たら「オレンジ色を帯びたブラウンレッド」と書いてあり、さっき言った全部じゃん! と笑ってしまいました。



(販売サイトより)



お洒落な色ですよね。透明水彩絵の具として世に出ていますが、この色は不透明です。そして強い定着性があります。

明るさや透明感は控えめで、岩や地面、木などの自然物、レンガや家具などの表現に向いています。


セイレーンちゃんのイメージと真逆ですね。いいかもしれない。今度からクロウさんの色はイングリッシュベネチアンレッドだなあと思うことにします。この日記を開いているあなたにしか伝わらないけれど。








24.4.16


めでたく、没にならないと断言できるところまで着彩が進んだので話します。この絵は再録集の表紙になります。





時間をたっぷりかけ、大得意で大好きなものしか描いていない、肩の力の抜けた透き通るような一枚です。楽しみにしていてください!




私が少女服と呼んでいる、映画『ピクニックatハンギングロック』のようなヴィンテージドレスの線を描いていると、たっぷりした布の流れを愛する心が満たされます。


ウエストの位置を上げると貴族の幼い子供の服に近いシルエットに、下げると大人っぽくなり、表現の幅も広くて楽しいです。




描いていてときめく服といえば、白襟のワンピースも大好きです。例えばこの時のような。

これはレース襟ですがシンプルな真っ白や、聖職者を彷彿とさせる形も好き。




(『NICOLA』4月編より)



何回かお話していますが、真弓はFi.n.t/an another angelusの服を着ています。

特にニコラのファンになってからは、おしゃれ用・観劇用の服や靴を揃えてクローゼットが華やかになりました。


天使を見る日にふさわしいと思う姿に自分を整えることは、神聖な気持ちになるための儀式であり、彼女にとって観劇の楽しみの一部です。








24.4.10


『かわいいピンクの竜になる』の絵がとても素敵で複製画がほしい、というご希望を頂き嬉しかったので関連のお話をします。






最初に、絵自体の権利は装画・挿絵を担当した私が持っています。これは納品時に出版社さんに確認しています。


基本的には水野の作家活動の範囲内で各種制作等ができますので、絵に関するお問い合わせは今後も私に下さい。


個人で制作し、費用を負担し、在庫管理も行う関係上、難しい内容は実現できませんが頂いたご希望は前向きに考えます。


ご本の顔になっている作品ですから、実際に何か制作等する場合は事前に関係者様に共有し、イメージを損なうことのないよう大切に扱います。




好きだとお伝え頂いたお言葉、魂が惹かれたという銀の糸のようなメッセージ、すべて大事に拝読しております。本当に嬉しいです。私にとっても大好きな作品たちです。


静かな夜、自室で制作中に顔を上げるとこの竜の少女が翼を広げています。

「これ、私が描いたのか……全力でやって良かったな」と感慨深く思い、力がわいてきます。



まだ個人的な日記の範囲に留めておきますが、そう遠くないうちにこの絵に関係するお知らせができそうです。ぜひ私と一緒に楽しみにお待ち下さい。




追記:

頂いたメッセージに「挿画」とあり、装画(表紙)と挿絵どちらの可能性も残るなと思い……お手数ですが、お知らせ頂けましたら嬉しいです。








24.4.9


例えばニコラが「舞台で活躍するジェンダーレス男子の魅力」というネット記事で紹介されたとして、真弓は「そんな手垢のついた言葉で天使を表現しないで」と感じます。


そして百花に送り、同意を求めます。

二人は同調し、


「内容も言葉遣いも軽い」

「雑にまとめてる時点で何もわかってない」

「こんなので勘違いされたくない」

「他に載ってる人普通に男じゃん」


など言いたい放題。



これは、批判が主目的ではありません。


では何をしているのかというと、自分たちはニコラの神聖さを真に理解する特別な感性を持っているんだと互いに確認しあっています。




何回でも言いますが本当~~~にこういう少女たちが大好きなんですよ……



もちろん、二人は完全に同じではありません。

百花はニコラを「男子」の枠に入れていないのだと殊更に言うことで恋心を押し込めて隠すし、真弓はそれに全く気づきません。


真弓はSNSなど人の目があるところで文句を言わない理性があり、百花は気にせず外で話すタイプです。


裏返せば、真弓は作中の通り小心者で、人にどう思われるかを極端に気にして嫌われることを恐れる八方美人だから言えない。

百花はそこまで深く考えたり、周りを注意深く観察する性質ではないので平気です。








24.4.5


数日前、ハイキューの冊子を胸の前で抱きしめて信号待ちしている中学生くらいの女の子を見かけ、"良い"なあ……と思いました。

後で調べたら、映画の特典のようでした。今の彼女にとって本当に大事なものなのでしょう。



私はいわゆる「受動喫煙」が多く、そのキャラを好きだった(あるいは今も好きな)女の子の記憶とキャラクターそのものが強固に紐付けられています。


特定の作品やキャラを見かけると、それをどんなに愛しているか、どんなに素敵なのか語ってくれた女の子たちの声、部室の窓から差す夕方のオレンジ色の光、もう空きスペースのない本棚、指定席になっていたソファ、めいめい好きなことをしている情景が鮮やかに蘇ります。



完璧な世界でした。大人の国の一員になるのが怖くて、この部屋に戻りたくて泣いたくらいに。



未熟な人間が集まって何もないわけがなく、実際は歪で小さな閉じた社会だったはずで、傷ついた言葉も汚いと思った瞬間も覚えているけれど、それも含めて完璧でした。



なんだか感傷的なのは、今日やっとひと息つけたからです。このところ現実が慌ただしく常に緊張感のある日々を送っていました。


週末は大事なお手紙を書き、新しい作品を送り出して、SNSで少しお見せした紫の絵のお披露目もしたいです。








24.4.1


存在しない架空の映画の公式サイトを作ったことがあります。エイプリルフールに。


広い家に一人きりで暮らす大人に近い少女と、過去からタイムスリップしてきた天真爛漫な少女の、二人きりの心の交流を描いたお話でした。



存在しない架空のゲームの公式サイトを作ったこともあります。翌年のエイプリルフールに。


妖精・魔族・吸血鬼の三人の少女それぞれを主人公としたストーリーを選択でき、全ルートを遊ぶと物語が繋がる設定でした。


いかにも、ゴシックにちょっと傾倒した思春期の女の子が考えそうなことだ、とは思いますが真剣でしたし、考えただけでなく形にしたので私の中に残りました。



公式サイトですから、もちろんキャラクター紹介(立ち絵+設定)・ストーリー・ゲーム画面や映画のワンシーンも全部自分で描いて用意しました。

各ページでいろんなギミックを入れて遊びました。今思うと無限に時間がありました。春休みだったので。


そして、4/1に個人サイトに訪れるとその公式サイトに飛ぶように仕掛けて、楽しんでもらえますように、と祈って眠りました。



映画の少女たちも、ゲームの少女たちも忘れていません。ずっと好きです。特にヴァンパイアの子はわりと最近も描いています。







24.3.30


コミティア148、募集サークル数4500に対して5100弱の申し込みがあったそうです。


当選確率約90%、そう聞くとよほど大丈夫な気もしますが、「じゃれつく」を外す確率と同じくらいだと思うと急に落ちても全然おかしくない現実感が迫ってきます。



ポケモンといえば、2か月以上前の話ですがお姫様を生み出しました。





性別が「女の子」(1/8)

性格が「おっとり」(1/25)

個性が「食べるのが大好き」(1/30)


全て揃った、1/6000の完璧なお姫様です。

ボールも可愛いのにしました🩷



一番のこだわりポイントはもちろん「食べるのが大好き」です。詳しい説明は省きますが、ここが特に……いわゆる"厳選"が大変でした。

でもこの個性以外は考えられませんでした。手がかかった分、愛しいです。



オタクなので、セイレーンちゃんとクロウさんの手持ちポケモンを考えて遊んだりもしてました。誰しも通る楽しい空想ですよね(と私は思ってます)


二人のダブルバトルが見たいです。セイレーンちゃんのポケモンが「あまごい」クロウさんのポケモンが「ぼうふう」とか、そういうのです。







24.3.20



真弓と百花と、『ムラクモエイト』の漫画単行本を買うか買わないかの話



真弓は、ニコラが出ている2.5次元舞台の原作漫画『ムラクモエイト』のその時点の全巻を持っていました。


百花はそうではありません。

劇団の人から借りて読んだあと、自分ではクロエちゃんが出てくる数巻だけフリマアプリで安く購入しています。


百花にとって「お金も置き場所もないけど無理して買う」は重い。原作漫画は、それを乗り越えてしまうほどの熱病ではない。



(「クロエちゃんショック」後、全巻売りに出す真弓。『NICOLA』1月編より)




百花はこのことを人に話していません。

わざわざ言う必要がないから。


当たり前に新品を全巻買っている人たちの中で後ろめたいし、アカウントを作って時々二次創作をしているのに公式にお金を落としてもいないと知られたら冷ややかな目で見られるのが分かっているから。




とはいえ、もし真弓に知られても


「えっ! てかわたしも今更だけどクロエちゃんが出てる巻だけ買えばよかったと思ってたの!」


と返ってきます。


ストーリーを面白いと思うが好みではなく、興味はクロエちゃんにしか向いておらず、はじめの方は読み返していない。

漫画を持っていようといまいと、フリマアプリだろうと百花に対する印象は特に変わらない。



「グッズとかアニムラのDVDもさ、箱買いしてお布施とか課金って言って写真アップするのすごいと思うし、買わなきゃコンテンツは続かないってわかってるけど、できない人はファンじゃないって感じになるとしんどいよね、それぞれ欲しいのだけ買うんじゃだめなのかな? これ初めて人に話した! そういえばわたしこの前コラボカフェでクロエちゃんの……(自分の体験した具体的関連エピソード)」



とやや早口のトークが続きます。


真弓は 共感性が高い×自分の話に持っていってしまうタイプ なのでいつもこのような話し方。これが嫌だと感じる人も、一緒にいて楽しいと思う人もいます。







24.3.14


今日Xで公開したご依頼作品、良すぎませんか? とっても気に入っています。

素敵になって嬉しいなあ、と思って今、手元で眺めています。データ納品と撮影が終わってあとはお包みだけです。


とにかくずっと絵を描き続けているので「完成しているけれど発表していない作品」が溜まっていて、いろいろ追いついていません。

日中仕事をしている時間が一番焦ります。その時間は個人の私ではなく、どうあがいても何の制作も進まないので……



今夜は早く眠れそうなのに、どうしてもどうしてもセイレーンちゃんに会いたくなって、187話のクロセイと後半の単独シーンを吸ってきました。


「そんな怖い顔したってだめですわよ🩵」も3回リピートしました。これが一番好きなセリフです。声やカットなどすべて込みで。


あんなに可憐なおとぼけを連発していてもやっぱりヴィランなんだなあと感じます。人間の倫理観は無くて話が通じなさそう。こんな風に言われたいです。うさぎちゃんがうらやましい。


その前の馬乗りも全く羨ましくないと言ったら嘘になります。

ひんやりした柔らかい体、白くなめらかな曲線、波打つ髪とおそらく生来のものではない脚、当然うさぎちゃんは一切そんなこと考えてないでしょうけれど、絵も美しいので観るたび少しドキドキしてしまうシーンです。






24.3.10


年内の創作活動の予定がほぼ決まりました。

8月下旬、空けておいて頂けたら嬉しいです。





24.3.9


「わたしたちは推しを見ていると同時に、同じ推しを愛する者を見ている。その女が生み出した虚像を胸に抱く。


あなたの解釈した推しが良かったと感想を伝えることは、あなたが良かったと伝えることとは明確に違う。しかし、完全に違うとも言い切れない。」


(ユリイカ 2020年9月号「女オタク」特集より抜粋)




作品と作者を切り離すことができるのが正しい大人ですよ、というのたまに見かけるじゃないですか、私あれ、基本的に無理だと考えています。



“その女が生み出した虚像を胸に抱く”という表現、なんて甘美なんだろう! と思いませんか?


そのひとが今まで見てきたもの、考えたこと、唯一無二の感受性で生み出した幻想を見て、それが自分を酔わせれば酔わせるほど共鳴し、自分と同じだと感じたり強く憧れたりして、彼女のことを想うでしょう?



私はそうです。その人のこと好きになってしまいます。

どんな経験をしたらこんなの書けるんだろう、彼女には世界がどんなふうに見えているんだろう。

燃え上がるような情熱、それまでの人生で形成された倫理観、何を美しいと思うのか、伝わってこないわけがない。

そこから現実の苦しみ悲しみを想像したり、繊細なところがたまに見えて嬉しくなったりとか、本当に勝手なんですけど、よくありました。



モラトリアム時代の切実な痛み、アイデンティティの確立、守られた子供であることと いずれ大人になって外の世界に出ること……等を描いた漫画作品を発表していた、お顔も知らない同人作家のお姉さんが大好きでした。

まるで恋するみたいに、学校の友人に「〇〇さんはねえ、」と話していました。


ふっといなくなってしまって、今何をなさっているのか存じ上げません。

もしどこかで作品と再会できたら、嬉しくて泣いてしまうでしょう。作品を通して伝わってくる魂が好きでした。お姉さん、ありがとうございます。







24.3.6


制作中に神が降りてきて、夜中に2時間くらいで手記が1ページ書けてしまいました。たいてい何日かに分けて仕上げるので今までで最速です。

とても生きている真弓で気に入っています。お口に合いそうでしたらページを捲ってみて下さい。



先ほどXに上げた絵は過去作ですが、作品を機械学習から守るツールを通してみました。

ほとんど違和感がない仕上がりだと思います。ノイズ(模様)が入っているとわかるのは余白の部分を拡大した時くらいですね。


賛成反対の話は避けますが「アナログ作家だから大丈夫」とは思えませんし、この少女の国を守るための盾をひとつくらい持っておいた方が安心です。






24.3.3


負けました。


オークションサイトにセイレーンちゃんのセル画が出ていました。まさかこんなに早く会えると思っていなくて、友人らに絶対勝つと喧伝し、最後まで競ったんですが手を引きました。


過去の同作品の様々なキャラの落札相場を見て、そこから考えたら異常なほど吊り上がり始めたので直感的に不安になったから。


そして、この子を生み出してくれた公式にお金が入るわけではないのだから、と冷静になってしまったからです。




戦いをやめてクールダウンした自分を、愛(あるいは情)のない人間だと自分で責めました。


だってこんなに好きなのに、一点ものの"本物"なのに、絶対勝つと言ったくせに! 嘘つき! 引き下がるの?! 知らない人の手に渡るのを指咥えて見てるの?! と……



「立ち止まれるのはすごいことだよ」と画面共有で見守ってくれた友人らは励ましてくれたんですが、理屈じゃなく涙が溢れてしまったし、私は私をしばらく許せそうにありません。




そもそも苦手なんだろうなと思います。「好き度」みたいに見える何かで人と争うのが。

私の中の12歳の女の子が「(私の世界では)私が一番好きなんだもん!!」と怯えて泣いてしまう。


普段絵を描いているときって、描いたから一番とかありえないじゃないですか。

楽しいと思う範囲で作って楽しいと思う範囲で誰かが見て、私たちは自由に遊んでいるだけで彼女は誰のものでもない。誰のことも選ばない。


でもこうやって、好き同士で争って誰か一人が勝つような、優劣がつく(ように感じる)のがしんどいんだな、と感じました。




少しずれますが、『NICOLA』で曲のリクエストを募って歌われる流れ、私はあれを、残酷だと思って描いています。


ニコラは嘘でもいいから「先着順」とか「抽選」とか、優劣をつけていないように見せた方が賢明でした。

どうしても、本人に好かれている/好かれていないに発展してしまうし、あれは誰々のリクエストだとか面倒なことになってしまう。実際なっています。


仮に20曲分リクエストが来て3曲選んだなら、お金を出して時間使ってライブに来てくれる選ばれなかった17人は泣いているかもしれない。

野菊さんやルリさんみたいに、他の人が選ばれたのを喜んでくれる人だけとは限らない。





昨日、私にとってはまだ今日ですが、強欲企画に参加して下さった方のグループ展にお伺いしたんです。


現地でお互いの描いた作品の交換をして、そのままアリプロのライブに向かい、幸せな気持ちで帰ってきて。

オークションに参加して負けて落ち込んで、救いを求めるように丁寧なお包みを開けたら、私のセイレーンちゃんがそこにいました。



私を想って、私を喜ばせようと考えて描いてくれたセイレーンちゃんが本物じゃなかったら何が本物なんだろう。私にとってこれが本物だ、と思って、作品を抱きしめて泣きました。


これから受け取る作品も全部本物です。企画参加者ではないけれど贈りたい、と作品を見せて下さった方もいらして、それも私にとって本物だし、放送に使われたセル画よりもずっと価値あるものだと思いました。



ちょっと強がりに見えるかもしれませんが、本気でそう感じています。

大切なお姫様なのだということを汲んで下さる、すべての方に感謝しています。ありがとうございます。


ゆっくり眠って、また明日から制作に励みます。








24.3.1


今日はニコラの誕生日です。


『NICOLA』の物語の始まりを「本人不在の誕生日会」にすることは割と早くから決まっていました。他の案はありませんでした。最初に思いついたこれが、私の中で最高だったから。





とても幸せで、初めてこんなに熱く誰かを推して、相手が生きているから常に更新されて、楽しくて仕方がなく、これから無限なんだ、この好きは永遠なんだと信じている頃のきらきらした真弓。夢を見て透き通っていた少女の時間。


「知る」は不可逆です。

外の世界の生々しい部分、好きな人の理想とは違う姿、自分の欲望と醜さを知ってしまったら、ここに帰っては来られない。



しっとりした感じになってしまいましたが、ひとつ下の日記にも書いたように、登場人物の中で野菊さんは2024年もニコラのお誕生日を祝っています。




ニコラのお誕生日の絵を描こうとして、今日までという時間的な焦りがあったからか納得いく作品が仕上がりませんでした。

また制作が落ち着いた頃か、今度のコミティアに持って行けたらいいなと思っています。



強欲企画のドローイングは、現時点で半分の枚数が完成しました。該当の方にはご連絡さしあげています。

いたずらに期待を上げると開封した時にがっかりするかもしれないので言わないようにしていましたが……とてもとても可愛いです!!


私しか知らない、まだ公開も発送もしていない絵を満足して眺めている、この時間が好きです。







24.2.27


文量が増えてきたため分冊しました。それに伴い、カバーをつけて日記帳の名に改めました。普段は更新欄にお知らせをしていませんが今回は出します。



2024年の3月、真弓が『NICOLA』を描き始めた日がもうすぐそこで驚いています。

私の中ではまだ彼女は少女で、たぶんずっとそうです。



今日は少しだけ、「作中にあるけれどまだ描いていないこと」の話をします。物語終盤、2月編のここです。





百花が何を言いかけてやめたのか、彼女の性質を踏まえた答えがあるので、これはずっと先になったとしても作品にしたいです。




この物語の外側には、作中にない(真弓視点では知ることができない)世界が広がっています。

2024年時点でニコラのファンを続けているのは、登場人物の中で野菊さんだけです。ではルリさんはどうしているのか、とか。



大人二人には大人二人の友情があります。

中学や高校の友達のような、いつも一緒にいる近さとは違うけれど、人生の楽しいところと感性の重なっている部分をそっと分かち合う存在です。


彼女たちの関係は実生活と地続きではなく、他者の目で勝手に価値を比べられることがない。互いに精神的にも経済的にも自立しているため、交友に伴う「難しさ」が発生しづらい。


お互いに、ああ貴重な友人だな、と天使がくれた縁に感謝しています。






お読みいただきありがとうございました。


日記帳一冊目はこちら

手記の目次はこちら

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