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移ろいゆく偶像




大好きなクロエちゃんが突然変わってしまったのはなぜなのか。

閑話休題的な読み物です。『NICOLA』12月編の内容を含みます。





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真弓たちは知りもしませんが、

『ムラクモエイト』は今、作者さんの意向を無視して連載を続けさせている状態です。





掲載誌「月刊青年スパーク」は、さほどメジャーではありませんでした。

そこに突然『ムラクモエイト』の大当たり。


若い女性ファンが増え、購買層の男女比が逆転。アニメ化して、2.5次元舞台化して、それがまた成功。

さまざまなファンを取り込んで"オタク女子"の世界で一大コンテンツに成長したのが2018年頃。(『NICOLA』は2020年のお話です)



この作品をぜったいに終わらせてはならない。



本来1期の内容で終わる予定で、作者さんもそのつもりで描いていたムラクモエイトは引き伸ばされることが決まりました。


しかし、編集部には今まで女性をメインターゲットに据えたコンテンツを切り盛りした経験のある人がいません。

うちは男向けの雑誌で硬派な作風なのにどうしてこんなに女の子に受けたんだろう。恋愛要素もないのに。などという考えのまま盛り上げようとして、残念ながら迷走しました。



最近女子に人気のゲームとかアニメって必ずオネエ系がいるよね。あと女子に見える男子とか。女の子ってかわいいものが好きだもんね。


けど他の作品と被らないように。あと女子はBLっぽいの好きだよね。絶対人気出ると思うから出して。




という抽象的なアドバイス(強制)を受けて練りだされた、2期からの新キャラがこの高畠クロエ。


作者さんの力量がすばらしいのでクロエは素敵なキャラクターになり、真弓たちに愛され、2.5次元化しても魅力を引き出すよい役者に恵まれました。


けれど狙ったような人気は出なかった。



あれ、おかしいな。やっぱ女子はあれかな? 男っぽい方が好きかな?

路線変えてもらっていいですか?



「俺は本当の俺に戻るッ!!」は、その結果です。





ムラクモエイトは今、「2期がおもしろくない」と急速に勢いが衰えています。


作者さんは2期を仕事と割り切って描いている。同じ熱量に見えても、ファンに響かなくなってしまったのかもしれない。そうでなくても、あらゆるコンテンツが氾濫する現代で興味を持ってもらい続けることはとても難しい。


シンプルだった味方キャラクターたちの衣装は、売りたい側の思惑によって、2期からポイント露出(脇やへそだけ開いているなど露出のための露出)が施された。「誰も喜ばない」とSNSで日々言われている。



2年前はチケットが取れないことで有名だったムラステ。だんだん客足が遠のき、次は同じ会場を埋められない。

人の心は移ろいやすく、引き留めることはできません。






お読みいただきありがとうございました。

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